つれづれ渡仏から四日目。
この日から伊藤先生がメイン指導を務める合宿稽古の開始。
朝、8:45にベノワさんが迎えに来てくれるという約束でしたが、
伊藤先生、朝起きてからギリギリまで袋竹刀を作っておりました。
『オハヨーゴザイマース!』というベノワさんの声が聞こえた時点では、
呑気に朝飯を食っていたような覚えがあります(;'∀')
何はともあれ、稽古場所である体育館に到着。
ここLavlanetの中心部にある公共施設でありまして、
こちらのバスケットコートを使用。
五年前、岩間先生の稽古会でも同じ場所を使いました。
全く変わっておらず、懐かしかったですね。
9:30から稽古開始。動画でおおまかに見せておる通り、
初日の午前中は基本稽古を中心に行いました。
立禅・這・練・歩法といった太気拳の基本ですね。
一通り、こなして伊藤先生がじっくり見直していく、という感じでした。
立禅をとってみても肩をガチガチに力んでいる人などもおり、
おこがましいながらも注意したところ、
『いつもベノワ先生にも言われるんだ(;´Д`)』
と言っておりましたね。
アラン先生が
『いつも口酸っぱくして言ってるのに、
全然直ってないじゃないか!まだまだだな、ぷんぷん!!』
みたいな感じで鼻息を荒くしていたのを覚えています。
アラン先生、本当に太気拳への情熱は凄まじいです。
午後は対人練習をメインにメニューを組み立てていきました。
実際に動く・試す・汗をかく!!といった感じで、
なんとなくフランスではこっちの方が合ってるのかな?
という印象を受けました。楽しそうに見えましたね。
そういえば、この時、Lavlanetの市長さんが
ひょっこり顔を見せてくれました。
五年前にも来てくれたんですよね。
『私めのこと覚えてますか??』と聞いたら、
『ああ、もちろん、覚えているよ、ふむ』とお答えいただきましたが、
なんとなくウソやな、っていうのが伝わってきました😂
いえ、ま、いいんです、良い市長さんです、ありがとうございました😂😂😂
午後の練習後、夕ご飯はお弟子さんたちとも一緒にとる、
と聞いていたので、早く戻れるかな?と思っていましたが、
アラン先生と古参のお弟子さんたちが何やら話し込んでおります。
後で聞いたところ、フランス太気拳の今後について、
意見を出し合っていたとのことです。
前回の道中記にも書きましたが、アラン先生は
太気拳の発展を第一に考え、お弟子さんたちと考えを共有し、
具体的な活動に取り組んでおられます。
繰り返しますが、見習うべきです、この姿勢は。
さて、話し合いは一時間ほどにまで及び、
我々は体育館で時間を潰しておりました。
まあ、私めはクールダウンしていたので全く問題はなかったですが、
道場まで送って頂いたベノワさんは謝っておられました、いえいえ、
全然大丈夫ですから、と応えておきました。
そりゃそうですよ、色々とありがとうございます😅
夜は道場のすぐ傍にある中華料理屋さんに行きました。
ホントに歩いて一分の場所にありましてね、
『コレ、中華だね、こんな田舎町にもあるんだねえ』
なんて言ってたお店でした。
あ、失礼な言い方しましたが、田舎町である
Lavlanet って、のどかでスゲー素敵なところです。
この街に滞在できて幸せですよ、誤解なさらぬように(;´Д`)
で、この日の、夕ご飯、なんだかあんまり覚えてないんですよね。
料理がダメだったわけじゃないんですよ。
ちょっと食事中に会話しているうちに、
だんだん熱くなっていって口論みたいになっちゃいましてね。
フランスの方々と同じように日本の太気拳は
どうしたら発展できるか、というのがお題でした。
『太気拳から格闘技のチャンピオンを輩出しなきゃダメだ』
みたいな意見が飛んだので、それは違うんじゃないかな、と。
それは個人の野心の範疇であって、一選手としての話で
あれば大いに結構なことでありますが、
ことジャンルとしての基盤と発展について考えるうえでは
薄っぺらいのではないかというのが率直な印象です。
また、ネットが発達していないひと昔前であれば、
漫画や創作のエピソードを盛って、幻想を築き上げることはできるかもしれませんが、
もうそんなことが通じる時代ではありません。一時期のブームにはつながるかもしれませんけど。
一方で、皮肉にもSNSの発展で一部の小規模なコミュニティで
インスタント達人が量産されていますが、
少なくともそこは見習うべきではないでしょう。
遠からず、消え失せる現象です。
フランス、特に将来的に代表にまでなるであろう、
ベノワさんなどはまずは体系化に努めておられ、
練習会・地方セミナーなど、地道な活動にも尽力されております。
この面においては絶対的に正しいと思います。
私としては一生修行の身であり、意見を口にするなど
おこがましい限りではありますが、
真摯に取り組む方々と一緒に稽古をさせて頂き、
少なからずお力になれればなどと思い、
伊藤先生に同行した次第でありますので、
ちょっと聞き逃すことができないような心境だったということです。
という訳で、アラン先生はじめ、一緒にいたフランス人のお弟子さんたちが
『なに?どした???』と視線をよこすほどの口論みたいになり、
そのため何を食ったのか、よく覚えてないんですよね。
まあ、終盤は穏やかな雰囲気でフランス人のお弟子さんたちとも
仲良く下ネタで盛り上がったりして、そこは楽しい思い出しかないです。
その辺りは動画でもお見せした通りです。
その夜、道場に帰った後は、シャワーを浴びて、
ストレッチをやって翌日に備えました。
コンディションが何より大事。
我々はただ遊びに来たわけでは無いのですから。
ただ、この滞在・旅を大いに楽しんでいるのは確かでした。
翌日の稽古を楽しみにしながら眠りについたのであります。
4日目 合宿稽古 初日午前
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