2023年6月14日水曜日

つれづれフランス道中記6

6日目。


前日で合宿稽古は終わりで、殆どの参加者は帰郷。

私めと伊藤先生は骨休めを含め、もう一日、Lavlanetに滞在。

朝から現地のお弟子さんであるギョームさんが家族で迎えに来てくれ、

色々なところに連れて行ってくれました。


まずは隣接するMirepoixという街で大きな市場が開催されているとのこと。

そこでは食品、日用雑貨、玩具、工芸品など様々な店が並び、

たいへん賑やかでありました。

なんでも月一で開催されるそうで、田舎町ならではの

お祭り的な雰囲気が味わえて楽しかったです。

ギョームさんは地元なので、出店の中には知り合いも多くいたようですね。

色んなお店がありましたけど、そういえば何故か我々の顔を見た途端、

『お前らスペインには行ったか??スペインだ、ここからさほど遠くない!

バルセロナは良いぞ!!』とやたらスペインを推してきたオジサンがおりました。

あれはなんだったんでしょうか。とりあえず愛想笑いをしてスルーしたのを覚えています。


さて、気を取り直して、どこの街にも必ずあるのが教会。

ここにもかなり古くからある大きな教会があり、

中に入ると荘厳なステンドグラスやオルガンなど。

何か圧倒されたような感じになり、見様見真似ではありますが、

伊藤先生とお祈りをした次第ですわ。

時代が経っても、こういった精神性の支えとなるような文化は

いつまでも大事にするべきやな、と思いました。


昼、合宿稽古にも顔を出してくれた武道連盟の顧問である、

シュナイダー先生と合流。ここMirepoixで道場を構えており、

柔道・空手・古武道などを指導されているそうです。

道場まで案内してくださり、棒の型を披露してくれました。

その後、レストランに入りましたが、ここが本当に美味かった。

子羊のステーキみたいなやつだったんですが、思わず

『うましら~』となりましたね。

今回の滞在、ありがたいことに皆さまからたくさんご馳走頂けたのですが、

その中でもここがベストやないか?と思ったくらいですわ。


午後、少し車で移動、Foixという街でお城を見学しました。

この古城は結構有名みたいで、Lavelanet? 知らん!!と言っていた

フランス人も『Foixね。あのお城のあるとこね』という反応が返ってくるくらいです。

お城、良かったんですけど、なにしろ高所にありますからね。

上るのが一苦労でした、しかも螺旋階段とか狭いんですよ、コレが。

伊藤先生も流石にひぃひぃ言っておりました。

しかしギョームさんの子供、8歳👦は元気です。

早くいこー 早くいこーと息切れしている

我々を後目にどんどん進んで行きましたね。


さて、Foixを後にし、夜はアラン先生宅へ。

ここは市が運営する介護施設の一角であり、

小川のほとりにあるとても長閑な場所です。

別棟は旅行者のための宿泊施設にもなっており、

夏期にはバカンスを過ごす人も多いみたいです。

で、ここは五年前に我々が滞在した場所なんですよね。

岩間先生のセミナーの時でした。

本当に素敵な場所でリスを見つけた岩間先生が

すげーはしゃいでいたのを今でも伊藤先生と語り草にしております。


アラン先生とも今夜でしばしのお別れ。

改めて合宿の成功をお互いに祝し、御礼を交わしました。

アラン先生が謝礼を用意してると言ってくれましたが、

伊藤先生はその申し出は辞退。

『いりませんよ。これからの発展のために役立ててください』

と言って、受け取りませんでした。

アラン先生は涙ぐみながら『Je suis tres emu (感動している)』と言って、

何度も御礼を言っておりましたね。

因みに五年前のセミナーの際も岩間先生を始め、伊藤先生も含め、

皆、謝礼は受け取りませんでした。

『金のためじゃない。文化遺産とも言える、日本の武道を伝えるという、

使命をもって我々はここに来た』と当時も語っておりました。


『これまで色々な先生と接したが、

そんなことを言ったのはあなた方が初めてだ。本当に感激した。』

と仰っておりました。


まあ、これについては色々なご意見があるかもしれません。

が、フランスの太気拳協会も立ち上げで間もなく、

決っして資金も潤沢ではない中、滞在中、我々を歓待してくれ、

ここまで面倒を見て頂いたのだから、むしろこちらこそ、

お金を払わなければいけないくらいです。そんな気持ちのお返しであり、

伊藤先生の粋な計らいと思っていただければ幸いです。


そしてギョームさんが作ってくれた料理をいただき、

アラン先生とは再会を誓い、この夜はお開き。

道場まで送ってもらい、入口の前で少し佇んでおりました。

数日の滞在でしたが、ここから見る風景が名残惜しくてですね。

日本を発った時は一週間も家を空けるのかー!なんて思っておりましたが、

あっっっという間の一週間でしたね。楽しい時はいつもそうです、そういうことなんです。

最後にもう一度、窓から毎晩ぼーーと眺めていた夜景を目に焼き付け、

眠りにつくことにしました。


          つれづれRyoちゃんねる フランス道中記6日目


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